大蓮寺の墓地は約800坪の市内随一の広さ。背後に生国魂の森と勇壮な石垣が迫り、その静けさは都心にいることを忘れるほどです。
近世の心学の祖石田梅岩と門弟、寺子屋で高名な根来誠齋、また戦争で破壊されましたが、一世を風靡した女義太夫豊竹呂昇もこの地に眠っています。昭和初期、文豪谷崎潤一郎が当山を訪れ、名作「春琴抄」の冒頭に描いたエピソードもあります。
また、墓地西入り口には、格別のご縁により、平成5年に国連ボランティアとしてカンボジアPKO活動中に殉職した中田厚仁氏の墓碑が、同年秋には、吉本興行創業者吉本せいの遺児にあたる辻阪邦子氏の発起により、無名芸人を偲ぶモニュメント「吉本芸人塚」が建立されました。
現代のお墓ともいえる生前個人墓「自然(じねん)」と永代供養総墓「共命(ぐみょう)」に加え、2018年9月からは新たに自然納骨堂「縁(えにし)」が竣工しました。都心の聖地として季節毎のお参りが絶えません。