住職インタビュー

大蓮寺では29世の住職になられるんですね。

秋田はい、460年の歴史ある大蓮寺の29代目の住職です。戦争で七堂伽藍を全て消失しましたが、その後私の両親である先代住職夫婦が苦労しながら、戦後の復興を成し遂げました。当時から、そして現在もそれを物心両面から支えてくださったのが檀信徒の皆様のおかげです。その大きなご縁の上に、いまこうしてお役をいただいているとありがたく思っています。

ほかのお寺にはない、大蓮寺の特徴って何ですか。

秋田あたりは24時間車が往来する都心のお寺ですが、立地だけではなく、ここには躍動する「いのち」がある、と思っています。お寺が母体であるパドマ幼稚園には幼児から小学生、その親世代は働き盛りの30〜40代です。塔頭の應典院には若い20代の面々が文化活動に集まってくる。そして大蓮寺はシニア年世代が中心。新しいお墓がご縁となって、次の世代のお参りも多い。すべての世代に開かれていて、朝から晩まで人の声が絶えることがありません。とても明るくて活気のあるお寺です。

家のお墓だけでなく、いろいろ形態のお墓の運営をされていますね。

秋田大蓮寺には800坪の広大な墓地があります。従来からの家のお墓以外に、生前個人墓「自然(じねん)」や永代供養総墓「共命(求名)」、2018年9月には自然納骨堂「縁(えにし)」が建立となります。いずれも後継者を必要としない、永代供養の仕組みですが、目的や使途が異なります。住職として私も学ばされましたが、生前のご当人や、ご遺族ときちんと出会うことかかわることをたいせつにしています。供養の継続がむずかしい時代です。信頼を受けて、いつまでも皆さんの心の支えになるお寺でありたいと思っています。

終活に力を入れているとか。

秋田お寺は、元祖終活だと思います。いまは自分の死後について、どうありたいのか、問われる時代、きちんと応えられるお寺でありたいと思っています。檀家さんのご葬儀は無償でお寺が使えますし、単身の方には信頼できるNPOと協働して生前契約をお勧めしています。お寺だけではない、いろいろな専門家や団体を紹介したり、連携できるのも特長かもしれません。應典院と共催して、ほぼ毎月、おてら終活カフェを開催していますので、まずは一度参加して見てください。

どんなお寺にしたいか。

秋田大阪のまち中のお寺なので、ちょっと落ち着かないという人もいるかもしれませんね(笑い)。でも、ただにぎやかなのではなくて、お寺ならでの文化とか知力がだいじだと思います。少子化になって、人付き合いも乏しくなって、みんなスマホを見ている時代には、いろんな人や場とふれあうだけで、少し安心できます。それがひとりの生き方を支えてくれるものであればなおいい。お念仏をそういう仲間との絆にしたいと思っています。まち寺のプライドかな。

自分の性格について。家族構成も教えてください。

秋田関西人らしく、せっかちです(笑)。血液型はA型。誰とでも話ができるので、社交的な方だと思います。お酒はつきあい程度かな。最近涙もろくなりました。家族は妻と1男、2女。息子はいま大蓮寺の副住職と應典院主幹を務めています。全員ネコ好きです。

仕事や趣味について。お寺の住職のやりがいって感じますか?

秋田大蓮寺と應典院の住職と、幼稚園の園長が3つの顔です。毎日けっこう動いていますね。趣味は月並みですが、映画と読書。このホームページ以外にもいろんなブログを書いているので、書くことが仕事と趣味の半々です。20代までは寺に生まれたことを嘆いていましたが(笑)、いまは天職だと思っています。死は終わりではない、というメッセージが届けられる人ってお坊さんだけじゃないですか。

Profile

大蓮寺住職、應典院代表

秋田 光彦

1955年大阪市生まれ。

明治大学文学部演劇学科卒業後、東京の情報誌「ぴあ」に入社し、主に映画祭の企画・宣伝を担当。退社後、映画制作会社を設立、1997年に劇場型寺院應典院を再建。

以後10数年間にわたって、市民、コミュニティ、地域資源のあり方を具体的に提案し、実践し、市民活動や若者の芸術活動を支援してきた。また、人生の末期を支援するエンディングサポートをNPOと協働して取り組むなど、「協働」と「対話」の新しい地域教育にかかわる。パドマ幼稚園園長、総合幼児教育研究会代表理事、相愛大学客員教授など兼務。まちづくりからコミュニティシネマまで活動範囲は幅広い。