去る1月18日土曜日、浄土宗大蓮寺と㈱サフィールが主催、塔頭應典院の協力事業として開催した「看仏連携」。客殿を埋め尽くす多くの皆さまがお越しくださいました。
看仏連携<看護と仏教>地域包括ケア寺院の可能性を考える~あなたの街のお寺が<人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)>の舞台となるために~
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という表題で開催告知をした途端、およそ3日で定員の倍の100名の皆さまからのお申込みを頂きました。その後もキャンセル待ちの方も大勢おられるくらいに、多くのケアに関わられる方、僧侶や寺族の方たちから注目を集めるプログラムとなりました。
日本最大の社会資源・仏教寺院は、全国にその数およそ7万5千あります。どの地域にもお寺はあって、人々の生老病死とともにあり、僧侶は臨終の枕元に寄り添って、死では終わらない物語を語り伝えてきた伝統があります。
Session1は、「社会資源としての寺院・僧侶の可能性を探る」というテーマのもと、僧侶や寺院が中心となって行う介護や看護領域での実践の様子を発表致しました。
Session2では、「看取り・グリーフケア・ACP・終活」というタイトルにて、がん専門看護師と臨床宗教師の育成をされている大学の教員のお2人にお話をお伺いしました。
最後にはコメンテーターから今までの議論のまとめと、「看仏連携で何が出来るのか?」というテーマでのグループによる話し合いが行われ、10のグループの意見を代表者がまとめて頂く時間としました。
「場」としての寺院が、「人」としての僧侶が、そして「物語」として教えがあるこの場で、あなたの街のお寺が<人生会議>の舞台となるためには、「看護」領域を中心とする専門職の方とまずは協働する時間と空間と仲間とが必要であることを、ワークショップの中で熱く語り合い、聴き合う半日となりました。最後には主催団体のまとめとして「地域包括ケアシステムにおける看護師と寺院・僧侶との連携」のお話を㈱サフィール代表の河野秀一から、最後の挨拶では、大蓮寺住職の秋田光彦から「訪問看護ステーション事業」を医療団体と連携して展開することを発表致して、270分の長いプログラムを終了させていただきました。
多死社会、無縁社会と言われていますが、人は住み慣れた地域で最後まで暮らしたいという願いがあります。人生会議(ACP)という4文字はさかんにテレビや新聞で流れてきますが、絵に描いた餅ではなく、それを実際にどこで誰がどのように支えていけるのか、看護や介護を受ける当事者が主役となるような実践こそ求められる時代になってきました。寺院や僧侶がケアの実践の場にどのように関わっていくのか、そして、看護やケアの領域からお寺への領域へのバトンパスをどのようにしていくのかについて、今後も引き続きお寺が舞台となって考える場を設けていきたいと思っております。
*人生会議はもしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もってお考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです。
当日は多くのマスメディアの皆さまがお越しいただき、各媒体でも今後、掲載の予定があると思われますが、まずは應典院、大蓮寺に今まで関わりのあるライターの星野哲さん、まいてらの井出悦郎さんがそれぞれの媒体での開催報告を掲載頂きましたので、まずは第一報としてこちらも転載させて頂きます。
ライターの星野哲さんによる開催報告
https://shukatsu-labo.amebaownd.com/posts/7613919?fbclid=IwAR3CcrJnZUARy0_EyIHk67RCh_EWzTUMle4Jt83aXZJQ-Xi8hKnQh4r3CdQ
まいてら井出悦郎さんによる開催報告
今回は「看護」と「仏教」のお見合いの場のようなもの。今後も看仏連携を深める上で大事な点として「学びの場」を連続的・継続的に繋げることが大切、と多くの方からもご指摘を頂きました。應典院では「おてら終活花まつり」の期間内の3月30日夜に『仏教看護論』や『仏教と看護』、『死を迎える日のための心得と作法17カ条』と『看取りの心得と作法17カ条」の著者でもある藤腹明子先生をお迎えして、勉強会を開催致します。今後の当山の取り組みにもどうぞご関心を向けていただければ幸いです。