日本人は幸福でないのか。信心こそ幸福への道。

(2025年05月13日 更新)

米国ハーバード大学の世界幸福度調査の結果が公表されました。 22カ国20万人が参加した大規模調査で、何と日本は最下位だったとか。 担当研究者はその低迷の理由を「宗教行事の参加が少ないことと関係があるかもしれない」とコメントしているのが印象的でした(日経5月1日)。また、日本人は親しい友人がいると答える人が顕著に少なく、不安や心配などを感じる人が極端に多いとのことでした。1位はインドネシア、 2位メキシコ、3位フィリピンと続くのですが、経済力では遥かに劣る国々の共通項は、イスラムやカトリックの信仰大国だという点です。「週に1回以上、教会や寺院で礼拝する人は幸福度が高い傾向があり、生きがいにかかわる宗教の教えや行事を通した人間関係の広がりが幸福度を押し上げた可能性がある」(同紙より)というのです。

人間の幸福度とは消費的豊かさと比例しているわけではありません。外面的に次々と新商品を購買できたとしても、 内面的な充実がなければ、 幸福とはいえません。 トップのインドネシアには国法で誰もが宗教に属することが明記されていますし、文化面、生活面において世代共通の信仰が浸透しています。そこでは宗教コミュニティのようなものが発達し、互いを支え合う互恵的な社会が築かれているのです。日本の場合もそうです。先祖仏教という姿をとりながら、おかげさまへの感謝、 生かされるよろこび、同朋への信頼など、経済数値では測れない、心の幸福指数を上げているといえないでしょうか。信心とは何かの利益を求めるものではありません。 心を清め、暮らしを見直し、報恩感謝に生きること。それこそ幸福の真の姿ではないでしょうか。