第三章「葬祭仏教と社会参加仏教」(執筆者の高橋原)より、日本における「社会参加仏教」の概念整理の一例として、『がんばれ仏教!』の著者の上田紀行が取り上げた一人の僧侶として、秋田光彦が紹介されている。市民参加と協働の場として應典院を開いたことにとどまらず、大蓮寺での生前個人墓や永代供養墓の開創など、葬祭仏教の最先端を走る僧侶の一人であると言及している。日本での先駆者たちが行ってきた活動は、葬祭仏教を不可欠な一部とし、欧米から輸入された「社会参加仏教」の枠組みには到底収まりきらない、と指摘している。
島薗進 末木文美士 大谷栄一 西村明/編集
2021年7月出版
春秋社