笑いで不満を吹き飛ばす。子どもたちの演劇教育。

(2015年10月04日 更新)

親も先生も、子どもに不平や不満を言わせない。夢を語ろう、希望に生きよとメッセージする。逆にいうと、不満がないという点において、いい家庭である、いい学校であると安心したがる。

では、突然子どもが「先生が好きな子だけにやさしくする」「お母さんの言葉はムラがありすぎる」とか、そういう問題を口にしたら、たぶん先生も親も慌てる。緊張が走る。

そういう子どもの本音をファルス(笑劇)にして、笑い飛ばそうという子どもたちのワークショップが、昨日あった。パドマ幼稚園の小学生の塾(1、2年生)での演劇ワークの授業だ。「せんせい」は国際コメディ演劇フェスの受賞もある「かのうとおっさん」。

 

詳細は述べないが、まず子どもたちにふだんの不満を聞き出し、その解決法をコメディに仕立てて、寸劇発表するというもの。たとえば「このじだいをかえてほしい」という不満?では、友だちのオナラの力を借りて、異惑星に飛んでいく、とう組み立て。それなりのオチがあるのだ。

衣装の力もある。とくにストーリーと関係ないのだが、衣装をつけることで「他者」になるという体験もだいじだ。中にはなりきれなくて涙ぐむ女の子もいたが。

 

アートは常識を揺さぶる力を持つ。壊すのではない。揺さぶることで、惰性や慢心を払い、もう一度力点を確保する、そういう相対化の力を発揮する。子どもたちもそうだが、私は先生たちの驚きが興味深い。「いってはいけないこと」を表現する?教室にはない、新しい教育が生まれる(かもしれない)。

演劇ワークショップは應典院のサポートもあり、以後「パントマイム」「オノマトペ」と続く。講師は小演劇のスターたち。じぶんでいうのも何だが、パドマの小学部、先端を行っているんじゃないか。

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