浄土宗開宗850年。凡夫報土の原点に立ち返る。

(2024年04月24日 更新)

浄土宗の宗祖法然上人は、1175年(承安5年) に浄土宗を開かれました。 以来歴史を重ね、今年、浄土宗は開宗850年を迎えます。法然上人の専修念仏の教えは申すまでもないと思いますが、浄土宗を開かれた理念については 「凡夫報土」というお言葉を残されています。
「私が浄土宗を立てた意趣は、凡夫 (ほんぶ=仏教の道理を理解していない者) が阿弥陀仏の報土(ほうど=西方極楽浄土) に往生できることを示すためである」
私たちの人生はままならないものであり、自分の願い通りにならないという点において、 すべては苦しみであると説くのが仏教の真理。それを引き受け、不如意の人生を阿弥陀さまにすべてお任せし、お念仏を称えることに専念する。 その生き方こそ、凡夫報土の理念にふさわしいと勧めてこられたのです。

さて、その精神を現代という複雑な社会にどう活かしていくのか、浄土宗全国7千ヶ寺の実力が問われているわけですが、 大蓮寺・應典院としては、基本の教化事業をしっかり踏まえつつ、 新しい時代に向けて果敢に取り組みを始めます。 大蓮寺の「おてらの終活」然り、 應典院の 「あそびの精舎」 然りですが、いずれもお念仏あっての当山独自の実践です。 詳細は改めますが、 5月に應典院で開催される「むぬフェス」は、まさに若い世代に向けた死生観の学びの場づくりでもあります。 ならではの企画と言えるでしょう。
なお、浄土宗では、この記念事業として10月に京都国立博物館にて、 大規模な 「法然と極楽浄土」展を開催します(NHK・読売新聞共催)。当山では檀信徒の皆さんにご招待券をペアで贈呈する予定です。 どうぞお楽しみに。