改装なった應典院で4月1日より、パドマエデュ ケーションセンター (略称PEC) がオープン、メイ ンとなる小学生のアフタースクールは1週間のべ50 人を超える児童が元気に通学を始めました。
もともと布石はありました。大蓮寺を経営の原点 とするパドマ幼稚園では、卒園生を対象にした生活塾「蓮塾」を40年以上にわたって運営してきた実績があります。 應典院もまたコロナ禍で従来の活動を見直すこととなり、 幼稚園と接続した教育施設という発想はごく自然なものでした。 何より地域文教のお寺として、戦後一貫して幼少期の教育に関わってきた大蓮寺の矜持というものもありました。
昨今の「小1の壁」 (小1になって、預かり機能 がなく親が困難に陥る) という問題もあります。PECは現代の寺子屋の再生であると同時に、社会貢献的な事業としても企画されたのです。
夕方6時半のお迎え時間近くなると、應典院のロビーに保護者の姿がちらほらと見受けられます。定時には奥の教室から子どもたちが 「ただいま!」と飛び出してきます。毎日の光景ですが、小さな「再会」を果たす親子の姿は微笑ましいものです。
教育施設としてPECの授業内容にも自負はあるのですが、保護者向け懇親会など親と子のコミュニ ティとしてお寺が開放されていることは尊いと考えます。聖なる場所だから、親子の、また子ども同士の慈愛が育まれるのです。
学校が休みとなる夏休み期間には、 児童は朝8時半からやってきます。ロビーは檀家さんの休憩所も兼ねていますから、賑やかな小学生たちと遭遇するかもしれません。子どもも大人も、児童も高齢者も、いろんな世代が交流する、そんなお寺でありたいと願っています。