住職インタビュー

大蓮寺では二十九世の住職になられるんですね。

秋田はい、平成12年に住職に就任しました。太平洋戦争で伽藍は全焼したので、それを前住職や当時の檀家さんが戦後復興してくださった。その尊いおかげがあって、今があると思っています。まず伝統をしっかり保ちつつ、時代の変化にも反応しながら、創造的なお寺でありたいと願っています。

ほかのお寺にはない、大蓮寺の特徴って何ですか。

秋田あたりは24時間車が途絶えない都心のお寺ですが、立地だけではなく、ここには「生老病死」のすべてがある、と思っています。パドマ幼稚園には幼児から小学生、その親世代は働き盛りの30〜40代です。塔頭の應典院には若い20代の面々が夜になると、社会活動や芸術活動に集まってくる。そして大蓮寺は熟年世代が中心。すべての世代に開かれていて、朝から晩まで人の声が途絶えることがない。とても活力のあるお寺です。

「自然(じねん)」「共命(ぐみょう)」などお墓の実験も活発ですね。

秋田永代供養墓はいまブームなので、たくさんありますが、ほとんどは亡くなってから誰かの手で搬送されてくるので、その人の気持ちとは限らないのですよ。「自然」とか「共命」は生前の意思をすごく尊重していて、きちんと出会うこととかかわることをたいせつにしている。そういう生前の関係を紡ぐことこそ、お寺のやるべきことだと思っています。エンディングもその一環です。

どんなお寺にしたいか

秋田大阪のまち中のお寺なので、ちょっと落ち着かないという人もいるかもしれませんね(笑い)。でも、ただにぎやかなのではなくて、お寺の知性とか行動力がだいじだと思うのですね。とくに少子化になると、家族だけ友人だけではままならぬ事態となります。いろんな人や場とふれあうだけで、少し安心できます。それがひとりの生き方を支えてくれるものであればなおいい。お念仏をそういう仲間との絆にしたいと思っています。まち寺のプライドかな。

自分の性格について。家族構成も教えてください。

秋田関西人らしい、せっかちです(笑い)。血液型はA型。誰とでも話ができるので、社交的な方だと思います。お酒はつきあい程度かな。最近涙もろくなりました。

家族は前住職夫妻と、妻、息子、娘が二人の8人家族です。子どもたちは別に住んでいますが。とくに寺庭婦人(大黒さん)の妻は、頼りになるパートナーです。家族みんな猫好きです。

仕事や趣味について。お寺の住職のやりがいって感じますか?

秋田大蓮寺と應典院の住職と、幼稚園の園長が3つの顔です。毎日けっこう動いていますね。趣味は月並みですが、映画と読書。このホームページ以外にもいろんなブログを書いているので、書くことが仕事と趣味の半々です。

20代までは寺に生まれたことを嘆いていました(笑い)が、いまは天職だと思っています。死は終わりではない、というメッセージが届けられる人ってお坊さんだけじゃないですか。

Profile

大蓮寺住職、應典院代表

秋田 光彦

1955年大阪市生まれ。

明治大学文学部演劇学科卒業後、東京の情報誌「ぴあ」に入社し、主に映画祭の企画・宣伝を担当。退社後、映画制作会社を設立、1997年に劇場型寺院應典院を再建。

以後10数年間にわたって、市民、コミュニティ、地域資源のあり方を具体的に提案し、実践し、市民活動や若者の芸術活動を支援してきた。また、人生の末期を支援するエンディングサポートをNPOと協働して取り組むなど、「協働」と「対話」の新しい地域教育にかかわる。パドマ幼稚園園長、総合幼児教育研究会代表理事、相愛大学客員教授など兼務。まちづくりからコミュニティシネマまで活動範囲は幅広い。