あなたはあなたのままでいい。花まつり。

(2022年04月08日 更新)
今日4月8日は幼稚園は新年度の登園初日です。早速、お釈迦様の誕生日「花まつり(灌仏会)」の行事が開催されました。

花まつりは、お釈迦さまの誕生を祝って、花御堂の誕生仏に甘茶をかけてお参りする、という伝統の仏教行事です。「誕生仏」とはお釈迦さま誕生のお姿で、右手で天を指し、左手で地を指しています。お釈迦さまは生まれてすぐ7歩歩かれて、このお姿をして、「天上天下唯我独尊」と宣言されたという由来に基づいています。
この「唯我独尊」、どうも仏教語は世俗語に転じると意味が反転するようで、辞書には「自己中心的」とか「傍若無人」と紹介されていますが、もちろんお釈迦さまが「俺が世界でいちばんえらいのだ」と言ったわけではありません。本当の意味は、「天にも地にも、この世界において、ただ一人しかいない私という存在は何よりも尊い」という意味です。お釈迦さまは、自分という存在の尊厳を唱えたのであって、人類初の人権宣言のようなものです。

人間は一人では生きていけない。だから、皆が助けあって生きていくためにも、まず自分自身の尊厳をたいせつにしなくてはなりません。子どもの自尊感情とか自己肯定感とは、最近の教育界で扱われるたいせつなテーマですが、お釈迦さまの「唯我独尊」は、一人ひとりかけがえのない存在の尊さを、今日の私たちに伝えてくださっているのです。

幼い園児たちが甘茶をかけて、至心に祈りを捧げる。その無垢な姿に、改めていのちの尊さを感じるのでした。