「宗教経典が他の書物と違うのは、〈声に出して読む〉ようにできて」おり、そうでないと「(ある種の)共振現象が起きない」
「〈特性〉」を持つ。その意味するところは章を追って明らかになる。一神教のヒンドゥー、ユダヤ、キリスト、イスラーム。多神を説く神道、仏教など各聖典のエッセンスと信仰形態、習俗、それらに纏わるエピソード、関連映画のコラム紹介などで各宗教宗派の実態を実に興味深く解明する。アメリカとイスラームの関係、チベット人権問題などにも触れ、現代における宗教の必要性、問題性を余すところなく提示。一神教対多神教の枠組みの中で「何かの宗教を選」ぶ必要に迫られた時、「なにを選」び何に「共振」すべきかにも熟慮を促す。
宗教聖典を乱読する
釈 徹宗 著
●朝日新聞出版(1700円)
(初出:2010年冬 サリュ・スピリチュアルVol.1)