お寺の教科書 松本 紹圭・井出 悦郎 著

仏教伝来以来1462年。様々な歴史を積み重ねてきた仏教の現状はここに至って「一方に硬直化した宗派の教理があり、他方に教理否定の現場主義がある」それを「震災が浮き彫りにした」と末木文美士教授も指摘する。しかし仏教には1500年以上の「佛陀の智慧」がある。その無限の智慧、潜在能力がお寺には蓄積されている。今そこに気づけと問題提起したのが「未来の住職塾」だ。家の崩壊、社会の多様化で葬式仏教と揶揄されるお寺の現状をどう打破するか。お寺の使命とは何か。お寺は誰のためのものか。いま何を為すべきなのか。同塾は全国に七万強あるお寺の大門を開放し、硬直してくすんだ既得権益を捨てさり、輝く未来に向け「超宗派」という最大の縁に目覚めよと大喝する。本書は逼塞したお寺開放のビジョンを与える智慧の教科書だ。

お寺の教科書
松本 紹圭・井出 悦郎 著
●徳間書店(2013年/1,400円+税)

(初出:2014年春 サリュ・スピリチュアルVol.8)

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