「ヘレディタリー/継承」。
新人監督のB級映画かと思って観たのだが、なかなかどうして現代ホラーの傑作である。
カルト教団とか教祖の血統とか、日本人にはピンと来ない部分も多いが、しかしアメリカ映画の古典ともいえる悪魔信仰がおどろおどろしい。
何かが襲いかかるとか、血飛沫とか直接描写はほとんどない。それより静かな場面を重ねながら不穏な気配を高めていくテクニックは、ジャパニーズホラーのよう。ミニチュア模型の家族のように内部から壊れていくのが怖い。主演女優のトニ・コレットの顔芸は見ものだ。しかし、なぜ何故アメリカ人はあんなにコックリさんが好きなんだろうね。
サンダンス映画祭でプレミア上映。アリ・アスター監督、これがデビュー作というから驚きである。評価B+。