現代の勧進。ともいき堂とクラウドファンディング。

(2019年04月19日 更新)

納骨堂改め「ともいき堂」の着工を追うように、建築資金クラウド・ファンディングがスタート、第1目標150万円を1週間で達成して、第2目標300万円に向けて呼びかけが続いています。

クラウド・ファンディングとは不特定多数の人にインターネットを活用して、公益的でユニークな事業に寄付の提供を呼びかけるもの。東日本大震災の後から普及したといわれ、震災復興、国際協力、地域活性化など様々なジャンルの支援で知られます。

2月14日から、有名なポータルサイト「レディ・フォー」のネット上で発信が開始、同社によると過去古建築保護や再生の呼びかけはあったが、新しいお堂の建設のクラウドは「ともいき堂」が初めてとのこと。寄付者は北海道や九州など全国に及び、当初の目標をわずか1週間でクリアして、その話題性や関心度が大きく評価されました。

クラウドは「現代の勧進」とも言われます。お寺の寄付というと、檀家さん頼みというイメージがありますが、全く見ず知らずの方からの寄付も少なくありません。言い換えれば、誰にも届くメッセージ性や社会性が成否を決めるといえましょう。

当山が推進する「お寺の終活」は、1ヶ寺の取り組みを超えて、現代の地域社会が抱える多死や無縁、孤立などの問題に関わる普遍性を持ちえると言えます。生死の問題を「わたくしごと」に閉じるのではなく、「みんなごと」として考えていく、新しい拠点として大きな期待を集めているのかもしれません。

ある寄付者からこんなコメントがありました。
「秋田先生の言葉や行動に、『生きること』と『死ぬこと』は表裏一体であることを教えられ、だからこそ今この時を大切に生きようと背中を押してもらえる気がします。こころから応援いたします」