未来の住職さん。大蓮寺副住職、就任。

(2015年09月26日 更新)

彼岸の中日に、大蓮寺で副住職の叙任式を行った。ふだん通りの彼岸法要の合間に、少しの時間を差繰っての実施だったのだが、堂内は大勢の檀家さんで満堂となった。副住職とは、去年浄土宗教師となったばかりの、息子の光軌である。僧侶としては駆け出しの、半人前に過ぎない。
しかし、檀家さんがありがたいと思うのは、彼の人徳とか実績より、家族同様に副住職の成長を喜んでくれていることである。「まぁ、ご立派になられて」と式のあと、涙する檀家も何人かいた。
住職は、個人の名前よりお寺の寺号で呼ばれることが多い。「秋田住職」ではなく「大蓮寺さん」というふうに。歌舞伎役者でもないが、それほど伝統の法灯をたいせつにしてきたのだろう。と同時に、住職個人の力量など長い伝承の中におけるささやかなパフォーマンスに過ぎないという広い視野があるからではないか。伝統仏教の子どもたちは、その歴史性や永続性に育てられているのだと思う。
副住職とは次代の住職予定者である。私は大蓮寺二十九世、彼は三十世となるのだが、さて、その頃、大蓮寺さんはどんなお寺となっているのだろう。
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