シリーズ:終活セミナー

2011夏 「遺族とグリーフワーク~『喪失』の時代をどう生きるか~」

仏教とスピリチュアルケアをつなぐもの

( 2011年06月09日 更新 )

<開会14時(閉会16時)>
現代の「喪失」を、仏教はどうとらえるのでしょうか。飛騨の名刹の住職である大下さんは、ホスピスケアのゆたかな経験を通して、死に逝く人や遺族との対話を数多く重ねてきました。生と死の現場から、人間の存在の在り方や生きる意味について探究し、その根源たるスピリチュアリティについて研究、提言活動を続けています。仏教者として、「グリーフ」というもっともスピリチュアルな体験をどうとらえ、どう支えるのか、瞑想療法やまちづくりなど実践的な取り組みを聴きます。また、これからのお寺や僧侶の役割についても語りあいます。近著は「手放してみる ゆだねてみる」(水谷修との対談)

講師プロフィール

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1954年飛騨生まれ。千光寺で出家(12歳)。高野山大学文学部仏教学科卒業。 岐阜大学教育学部研究生終了。スリランカ国ビドゥヤランカ仏教学院修行留学(テーラヴァダー得度コース)。和歌山県の高野山で修行し(現在高野山傳燈大阿闍梨)、スリランカ国へ留学、スリランカ僧として得度研修。 帰国後、地元教育委員会で社会教育担当(3年)。2007年9月 日野原重明氏を会長とする 「日本スピリチュアル学会」を中心的に設立、理事に就任。2008年3月まで、高野山大学スピリチュアルケア学科客員教授を務める。現在、飛騨千光寺住職のかたわら仏教、医療、看護、人文系の大学で教鞭をとる。

開催情報

  • 開催日:2011年7月23日
  • ゲスト:大下大圓さん 飛騨千光寺住職 

開催記録

7月23日 エンディングセミナー第2回〜大下大圓さんを迎えて〜

7月16日に尾角光美さんを講師に迎えて「若者発:グリーフコミュニティのすすめ」と題した第1回目を開催したエンディングセミナー。7月23日(土)には飛騨千光寺・大下大圓さんよる「仏教とスピリチュアルケアをつなぐもの」を大蓮寺の大広間にて開催いたしました。第1部は大下さんによる講演、第2部では秋田光彦住職と対談形式で進められました。

大下さんは12歳で飛騨千光寺にて出家され、現在、飛騨千光寺住職のかたわら仏教、医療、看護、人文系の大学で教鞭をとられています。またスピリチュアルケアワーカー(臨床心理相談員)を務め、医療チ-ムの一員として患者や家族のケアにあたっておられます。

今回のセミナーでは東日本大震災の被災地での支援活動の報告から始まりスピリチュアルケア=たましいのケアについてお話いただきました。
スピリチュアルケアの詳しい説明は省きますが、ケアギバーの信念や価値観を押し付けるのではなく、相手にどこまでも寄り添うケアの態度がまず肝要です。悲嘆(グリーフ)を乗り越え、こころの恢復を促すために、自分の感情や思いを素直に表出し、語り合える関係性が必要であり、そのために仏教の伝統的儀式が活用される、だからこそ7日ごとに遺族と向き合い四十九日を迎えるまでのプロセスとかかわりを大切にしていると大下さんは語られました。
また、大下さんが執り行う葬儀では、遺族は祭壇前に立ち、亡き人とのお別れを告げる「家族参加型葬儀」としていること、つまり遺族は喪に服し悲しみに耐えるのではなく、十分に悲しみを表出することこそ必要であるとのお話に、会場の参加者が静かに耳を傾けました。

第2部では、参加者から質問カードを通じて、それらをひも解いてく形で、秋田住職との対談となりました。真言宗僧侶らしく、お遍路さまのご詠歌の披露もあり、日本の風土にあったケアのあり方について考える機会となりました。60名の参加者の方々と共にグリーフワークについて、学び、深めていく機会となりました。