内山節のローカリズム原論 ─ 新しい共同体をデザインする ─ 内山 節 著

一気に読んだ。記憶に残った言葉をつなごう。
3・11復興のなかに「日本人の確信とは何か」を見出そうとしている。現代日本のシステム社会は崩壊寸前だ。しかし日本にはまだ「人間のパートナーとしての自然がある」「土着的な精霊信仰」も生きている。そこには「生者と死者の交わる世界」もある。「自然(じねん)、おのずからの理由」に従う関係も健在だ。柳宗悦の「民藝運動」も息づいている。「人間存在の哀しさ」を感ずることで「他者への許し」もできる。「多層な共同体で生きる」智慧(祈り・願い・信仰)は論理を超えて実在している。
三澤勝衛の微細な風土観の元「世界をみつめ」直すとき、21世紀日本のグランドデザイン、ローカリズムの創出により個を脱した自然・生命=霊性・われの実現も可能となる。

内山節のローカリズム原論 ─ 新しい共同体をデザインする ─
内山 節 著
●農山漁村文化協会(2012年/1,800円+税)

(初出:2012年冬 サリュ・スピリチュアルVol.6)

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